誰でも研究に参加できるサイト「Zooniverse」が面白い
研究者が研究者以外の人たちの協力を得ながら研究を進める「Citizen Science」の流れが生まれてきているようです。
「Zooniverse」は、Citizen Scienceの各種プロジェクトがまとめられているアメリカ発のプラットフォームです。世界中のボランティアが主体となり、天文学や生物学、物理学などの研究を進めていきます。
Galaxy Zoo
「Galaxy Zoo」は、2007年に立ち上げられた銀河の分類を行うサイトです。
サイト開設後1年間で、延べ15万人のボランティアが、5000万件以上の銀河の分類を行ったそうです。Sloan Digital Sky Surveyのデータを利用しているとのことです。論文もたくさん出版されています。
Chimp&See
「Chimp&See」は、アフリカの森林に生息する動物たちを観測するプロジェクトです。
意外とたくさんの種類の動物(時には人間も!)が出てきます。いつどのような動物が出没するかわからないスリルを味わうことができる点が面白いと思います。
Higgs Hunters
Higgs Huntersでは、欧州原子核機構(通称:CERN)にある大型ハドロン衝突型加速器(通称:LHC)で得られたデータを利用して、理論的に予言されている(けれども実験では発見できていない…!)新粒子の発見に貢献することができます。
Citizen Scienceの未来
「Citizen Science(市民科学)」は、研究の各プロセスを専門知識を必要としない作業に落とし込める研究テーマとの相性が良く、おもしろい取り組みだと思うのですが、ヒトモノカネの流動性の少ないトピックなので、Zooniverseのようなサイトを継続させるだけでも難しい印象です。
とはいえ、人々の理解や協力を得ながら研究を進めていくことができれば、アカデミアと社会の間の敷居を下げる機会が増えるので、今後とも注目していきたいと思います。
以下の著書「オープン・サイエンス革命」では、上記の取り組みはもちろん市民科学の失敗例や成功のポイントについて著者マイケル・ニールセン氏の私見がまとめられてます。参考文献も豊富です。ご興味のある方は、ぜひ。
- 作者: マイケル・ニールセン,高橋洋
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2013/03/28
- メディア: 単行本
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マイケル・ニールセン氏の講演動画もオススメです。